韓国で人気のレコードカフェとは?アナログ音楽と癒やしの空間で過ごす特別な時間

最近、韓国では「レコードカフェ」という新たなカルチャースポットがじわじわと注目を集めています。 先日、インスタグラムでたまたま韓国のレコードカフェの投稿を目にし、その独特の雰囲気に興味を持ちました。   この投 […]

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最近、韓国では「レコードカフェ」という新たなカルチャースポットがじわじわと注目を集めています。
先日、インスタグラムでたまたま韓国のレコードカフェの投稿を目にし、その独特の雰囲気に興味を持ちました。

 

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なぜ今、韓国でレコードカフェがブームとなっているのでしょうか?その背景と魅力について、少し掘り下げてみたいと思います。

 

レコードカフェとは?アナログの温かみとカフェの癒やしが融合

レコードの音の魅力

デジタル音源が主流の今だからこそ、レコードの持つ独特の魅力が際立ちます。針がレコードの溝をトレースして生まれる音は、時にノイズも混じる不完全なものかもしれません。しかし、そのアナログならではの深みのある音と、立体的な広がりは、聴く人の心を揺さぶります。音楽が刻まれた瞬間の空気感までもが再現されているような感覚を味わえるのです。

カフェ空間との相性の良さ

このレコードサウンドは、実はカフェ空間と抜群の相性を持っています。コーヒーを淹れる音や、ページをめくる音、そして人々の穏やかな会話。カフェには、日常の音が溢れていますが、そこにレコードの音楽が加わることで、特別な空気感を生み出します。アナログの温かみが、カフェの居心地の良さをさらに引き立てているのです。

レコードカフェの体験価値

レコードカフェでは、ただ音楽を聴くだけでなく、特別な体験が待っています。お気に入りの一枚を選び、針をレコードに落とす瞬間――このアナログならではの儀式が、心をくすぐる特別な時間の始まりです。レコードが回転し、音が広がり始めると、普段何気なく流しているBGMさえも、まるで新しい音楽に出会ったかのようにじっくりと耳を傾けたくなります。

レコードカフェでは、そんなひとときが心地よく感じられ、時間の流れさえもゆっくりと進んでいくように感じることでしょう。

 

韓国カフェ文化の変遷をたどる

韓国のレコードカフェは、どのようにして誕生したのでしょうか?ここでは、韓国のカフェ文化の歴史をひも解きながら、レコードカフェが生まれた背景を探っていきます。

 

韓国カフェの原点「タバン」

韓国でカフェ文化が広がる以前、コーヒーを楽しむ場所として存在していたのが「タバン(茶房)」です。タバンの起源は1920年代に遡り、日本の植民地時代に発展しました。1930年代から1960年代にかけて、知識人や文化人が集い、文学や芸術について語り合うサロンのような役割を果たしていました。コーヒーや紅茶を片手に文化的な交流が行われていたこの場所は、現在のカフェ文化の原点とも言えるでしょう。

1970〜80年代:喫茶店ブームの到来

本格的なカフェ文化が花開いたのは、1970年代後半から80年代にかけてのこと。高度経済成長を背景に、都市部を中心に数多くの喫茶店が誕生しました。これにより、カフェは単なる飲食店ではなく、学生や知識人たちが集まる文化的な交流の場となり、政治や文化についての議論が行われる重要な役割を担うようになったのです。

また、海外の文化に触れる機会が限られていた当時、喫茶店は異国情緒を味わえる場所としても多くの人々を惹きつけました。

喫茶店でのレコード文化

1970〜80年代の韓国の喫茶店では、生演奏が行われることも多く、ギターの弾き語りやジャズセッションなど、音楽を通じた交流が盛んに行われていました。一方で、レコードを鑑賞できる喫茶店も登場し始め、特に欧米のロックやポップスの最新レコードを揃える店は、若者たちの間で人気を集めました。当時、韓国ではレコードを手に入れる機会が限られていたため、喫茶店が最新音楽情報の発信地として機能していたのです。

1990年代以降:コーヒー文化の台頭

1990年代に入ると、韓国のカフェ文化は新たな段階を迎えます。欧米のコーヒー文化の影響を受け、本格的なエスプレッソドリンクを提供するスペシャルティコーヒーの店が登場し、豆の産地や焙煎にこだわるカフェが増えていきました。これにより、カフェはただの喫茶店から、より洗練された空間へと進化していったのです。

カフェでのレコード再評価

1990年代後半になると、カフェ文化の多様化が進み、レコードとの関わりも再び注目されるようになりました。カフェ内でのDJイベントが人気を集め、厳選されたレコードが、その日のカフェの雰囲気を演出する重要な要素となっていきました。また、2000年代に入ると、本格的なオーディオ機材を導入し、音響にこだわったカフェが登場。レコードの繊細な音をより良い環境で楽しめる空間が提供されるようになり、アナログレコードの価値が再評価されるきっかけとなりました。

レコードカフェが人気の理由

なぜ今、レコードカフェがこれほど注目を集めているのでしょうか?その人気の理由を探ってみましょう。

 

非日常体験ができるから

忙しい日常から少し離れ、ゆったりとした時間を過ごしたい。そんな現代人の欲求に応えるのが、レコードカフェです。アナログレコードという非日常的な体験が、訪れた人々を特別な世界へといざなってくれます。>

日常から切り離された特別な空間

レコードカフェの扉を開けた瞬間、そこはもう異空間。時間の流れさえも違って感じられるような、独特の空気感に包まれます。プレーヤーから流れるレコードの音、漂うコーヒーの香り、そしてビンテージなインテリア。すべてが訪れる人々を日常の喧騒から切り離し、特別なひとときを演出します。

五感を刺激するアナログ体験

デジタル化が進む現代において、レコードを楽しむ体験は新鮮な刺激です。レコードを手に取り、ジャケットアートを眺め、針を落とす瞬間のワクワク感。その瞬間、音楽が生まれるアナログの魅力が、五感を通して私たちに心地よい喜びをもたらしてくれます。

フォトジェニックで映えるから

近年、SNSの普及によって「映える」ことへの関心が高まっています。レコードカフェは、そんな写真映えする空間としても注目を集めています。

レトロでお洒落な内装とレコードの並び

レコードカフェの内装は、レトロな雰囲気を醸し出していることが多く、ビンテージの家具やポスター、そしてずらりと並んだレコードジャケットが目を引きます。これらの要素がフォトジェニックで、思わず写真を撮りたくなる空間を作り出しています。SNS映えを狙った写真を撮影できることから、特に若者を中心に人気が高まっています。

映える盛り付けのフードやドリンク

レコードカフェのメニューも、映えを意識した工夫が凝らされています。例えば、ラテアートが施されたコーヒーや、レコードを模したデザートプレートなど、ビジュアルにこだわったフードやドリンクは、カフェの雰囲気とマッチしてSNS映えする一枚が撮れることでしょう。

音楽の新しい楽しみ方が発見できるから

レコードカフェでは、音楽の新しい楽しみ方に気づくことができます。普段、ストリーミングで気軽に聴いている音楽も、レコードを通じて聴くと、その魅力を再発見することができるでしょう。

レコード選びの楽しさと試聴体験

レコードカフェでは、自分の手でレコードを選ぶ楽しさがあります。ジャケットを見て直感的に気になる一枚を選んだり、店内に設置された試聴機で音を確かめたりすることができます。デジタル音源では得られない、レコード選びの醍醐味を存分に体験できるでしょう。※自分で選んだり視聴できないお店もあります

店主セレクトの幅広いジャンル

レコードカフェの魅力の一つは、店主によるこだわりのセレクションです。名の知れたアーティストの作品から、知る人ぞ知るマニアックな一枚まで、ジャンルを問わず幅広い音楽を楽しむことができます。店主のセンスが光るラインナップは、訪れるたびに新しい音楽との出会いを演出してくれます。

 

ここでは、ソウルで人気を集めている代表的なレコードカフェをいくつか紹介します。音楽好きにはたまらない特別な空間を体験してみましょう。

ミュージックコンプレックスソウル (Music Complex Seoul)

仁寺洞(インサドン)にある韓国最大規模のカフェです。アンニョン仁寺洞ビルの5階に位置し、2万枚以上のLPレコードを楽しめるうえ、各テーブルにレコードプレーヤーとヘッドセットが常備され、窓際席やソファ席など様々な席タイプが用意されています。

店名:Music Complex Seoul
営業時間:12:00 – 24:00(詳細はWebサイトまで)
住所:49 Insadong-gil, Jongno District, Seoul[MAP]
詳しくはWebサイトまで

バイナル・ソンス (Vinyl Seongsu)

聖水洞(ソンス)に位置するこの話題のLPカフェは、各テーブルにターンテーブルとヘッドフォンが設置され、訪れた客は1000枚以上の幅広いジャンルのレコードから好きなものを選び、自分だけの音楽体験を楽しむことができます。カップル席や一人席など様々な席タイプがあり、マドレーヌなどの軽食も提供され、入場料にはドリンクが含まれており時間制限がないため、ゆっくりと過ごすことができます。

店名:Music Complex Seoul
営業時間:平日 11:00-23:00 / 週末 10:00-23:00(詳細はWebサイトまで)
住所:2nd Floor, 15-8 Achasan-ro, Seongdong-gu, Seoul, South Korea[MAP]
詳しくはWebサイトまで

 

 

oob(オーオービー)

ソウルの南営駅近くに位置する、70年代アメリカの雰囲気を再現したレコードカフェ&バーです。約1,000枚のレコードコレクションを所有し、2台のレコードプレーヤーからは1960年代から2000年代までの音楽、特にジャズとブルースが流れます。
店内は、ヴィンテージ家具とスピーカーを配置し、大きな窓からは南営の街並みを一望できる開放的な空間となっています。昼はカフェとして営業し、夜はバーへと姿を変え、ワインやカクテルを提供します。

店名:oob
営業時間:日〜木(12:00〜24:00)、金〜土(12:00〜1:00)(詳細はWebサイトまで)
住所:zNamyeong-dong 84-7, 2 floor, Seoul, Korea 04352[MAP]
詳しくはWebサイトまで

 

これらのカフェは、レコードを聴きながらゆっくりと時間を過ごせる人気スポットとなっています。音楽好きの方にはぜひおすすめです。

近年、SNSの普及によって「映える」ことへの関心が高まっています。レコードカフェは、そんな写真映えする空間としても注目を集めています。レトロな内装とレコードの並びがフォトジェニックで、特に若者を中心に人気が高まっています。

 

まとめ

韓国で大ブームとなっているレコードカフェは、アナログレコードの温かい音色とカフェの心地よさを融合させた特別な空間です。レコードの深みある音とヴィンテージなインテリア、こだわりのコーヒーが生み出す独自の雰囲気は、日常から切り離された特別なひとときを提供してくれます。

韓国カフェ文化の進化とともに登場したレコードカフェは、非日常的な体験や五感を刺激する楽しみ、そしてSNS映えするフォトジェニックな空間として、多くの人々に支持されています。

レコードを手に取り、音楽をゆったりと楽しむひとときは、デジタル時代の中で忘れかけていた心の癒しを感じさせてくれます。次回の韓国旅行では、ぜひレコードカフェでアナログの温もりを体感してみてください。

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