spotifyのプレイリストの機能を使い、podcastと楽曲のサンドイッチ形式で運用している音楽Podcast。コンセプトは、「今よりちょっとだけ音楽が楽しくなるを目指す音楽番組!」です。Podcast名称は、「ランダムアクセスコンテニュー(RAC)」で、雑食食いの今も音楽を聴き続けている2人(コモリ、ようちゃん)と最近何を聴いていいのかわからないタケさんの三人でお届けします。
今回は、「心を動かす人の声」をテーマに、タケさんセレクションでお届けするボーカル特集です。ただ上手いだけじゃない、聴く者の魂を揺さぶる歌声の世界へご案内します。※本記事は、AIを使用してPodcast番組を文字起こし、要約をしています
#19「心を動かす人の声、タケ的ボーカル特集」
【オープニングトーク】
オープニングは、タケさん、ようちゃん、コモリの3人による軽快な雑談からスタートです。第19回目となるRAC3(ランダムアクセスコンティニュースリー)、今回は冒頭から芸能ニュースやゲームの話題で盛り上がりました。坂口健太郎さんの恋愛事情から、フロム・ソフトウェアの新作『エルデンリング』が面白すぎて他のゲームが霞んでしまうというゲーム業界の話題まで、多岐にわたるトークが繰り広げられます。そんなフリートークの流れから、タケさんが「今の時代は白黒ハッキリしたものを求める傾向があるのかもしれない」と分析し、いよいよ今回の特集テーマが発表されます。その名も「心を動かす人の声、タケ的ボーカル特集」。単に歌が上手いだけではなく、その歌声から歌い手の人生や魂が滲み出てくるような、心に響くボーカリストたちをタケさんがセレクト。今回は「歌」そして「声」にフォーカスして、その奥深さを掘り下げていきます。
1. The Band – The River Hymn
特集の冒頭を飾るのは、タケさんがセレクトしたザ・バンドの名曲「ザ・リヴァー・ヒム」です。1971年のアルバム『カフーツ』に収録されたこの曲で、ボーカルを務めるのはドラマーのリヴォン・ヘルム。タケさんは彼の歌声の魅力について「英語の歌なのに、母音を豊かに響かせる」と熱心に語ります。子音を立てるのではなく、後頭部の上の方で声を溜めてから出すような独特の歌唱法に注目です。これに対し、ようちゃんは「ドラムを叩きながら歌うからこそ生まれたスタイルではないか」という考察を披露。複雑なリズムを刻みながら安定して歌うために、自然と母音を伸ばす歌い方になったのではないか、という分析に一同は感心します。テクニックやセオリーではなく、自分の身体から自然に生まれた唯一無二の歌声と言えるでしょう。
2. ジム・オルークと細野晴臣 – Close To You
続いては、日本の音楽シーンのレジェンド、細野晴臣さんの歌声にフォーカスします。曲は2010年のバート・バカラックのトリビュート盤から、ジム・オルークさんとの共演作「クロス・トゥ・ユー」です。タケさんは細野さんのボーカルを「囁き系で低音、これ自体がひとつの発明」と高く評価しています。特に、一瞬声を張ってからすぐに息を抜くように伸ばす歌い方の独特のニュアンスを語ります。ようちゃんも「エッジボイスを巧みに使っている」とテクニカルな視点で分析。テクニックをひけらかさないものの、実は高度なことをしていると指摘します。タケさんはさらに「細野さん自身が自分を“歌の人”だと思っていない、その照れがこのスタイルを生んだのではないか」と考察を深め、その絶妙なバランス感覚こそが細野ボーカルの真骨頂だと3人は盛り上がりました。
3. ソウル・フラワー・ユニオン – クレイジー・ラヴ
タケさんが「尊敬するミュージシャン」として紹介したのは、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬さんです。曲は2002年のアルバム『ラヴ・プラスマイナス・ゼロ』から、ヴァン・モリソンの名曲を日本語でカバーした「クレイジー・ラヴ」。タケさんは中川さんのスタイルを「はっぴいえんどが始めた日本語ロックを、さらに次の次元に押し上げた人」と語ります。その最大の特徴は、演歌や民謡のフィーリングとロックンロールの魂を融合させた歌唱法にあります。「歌い方は、もう森進一」というタケさんの言葉通り、こぶしを効かせた節回しが印象的です。これに対して、ようちゃんは「あえてトゥーマッチにやっている感じがいい」と分析。歌い出しにインパクトを持たせ、語尾は引く。その潔さが中川さん流の表現なのではないかと話が盛り上がりました。西洋のロックを模倣するのではなく、日本の土着的な歌の心と融合させて新しい表現を生み出す姿勢が、非常に魅力的です。
4. Tenci – Earthquake
ここでタケさんが紹介したのは、シカゴを拠点に活動するバンド、Tenciの「Earthquake」です。2020年のアルバム『My Heart Is an Open Field』からの1曲で、ボーカルのルーツはインドかパキスタンにあるとのこと。(正しくはボーカルJess Shomanの祖母はベリーズ出身で、子供の頃にシカゴに移住してきたでした。お詫びし、訂正します。)タケさんが惹かれたのは、彼女の独特な歌い方。おばあちゃんが家で歌っていた民族的な歌唱法が自然と身についたものだそうです。西洋音楽の音階とは少し違う、微分音的な絶妙な音の揺れや、独特の節回しが特徴です。ようちゃんも「緻密に構築されたバンドサウンドの中に、その土着的な歌声が入ってくるのが面白い」と感心します。テクニックというより、育ってきた環境やルーツがそのまま表れた「クセ」が、彼女だけのオリジナルなグルーヴを生み出しています。歌声がその人のアイデンティティを物語っている良い例と言えるでしょう。
5. 吉田美奈子 – 風
日本の音楽史に名を刻むシンガー、吉田美奈子さんの登場です。セレクトされたのは、1982年の名盤『LIGHT’N UP』から「風」。タケさんは彼女の声を「歌が上手いのはもちろん、元々の声質がすごくユニーク」と評し、その声を完全に自分の武器にしていると絶賛します。「声帯を縦ではなく、横に伸ばすような感じで歌っている」というタケさんの分析に、ようちゃんとコモリも興味を示します。ようちゃんはキャロル・キングやローラ・ニーロといった海外のシンガーソングライターを引き合いに出しつつ、「そこからさらにブラックミュージックの領域まで羽を広げているのがすごい」と感嘆。曲の展開についても、その構成力を高く評価しました。圧倒的な歌唱力、正確なビブラート、そしてジャンルを横断する音楽性。3人とも、その才能に改めて感心していました。
6. 相対性理論 – 地獄先生
2000年代後半の日本の音楽シーンに影響を与えたバンド、相対性理論の登場です。曲は2009年のセカンドアルバム『ハイファイ新書』から「地獄先生」。ボーカル・やくしまるえつこさんの無機質で特徴的な歌声が印象的です。タケさんは「まさにゲームチェンジャーだった」と振り返り、「音楽シーンと、アニメや漫画のようなオタクカルチャーがここで交わった感じがした」と、その登場の意義を語ります。ようちゃんも「声優さんが演じるような声で、ほとんど息みたいなウィスパーボイス」とその特徴を分析。3人は、このスタイルが海外のロックとは全く違う、日本のカルチャーの中で独自に進化したものだと話が盛り上がりました。クールなバンドサウンドの上を、感情を感じさせないボーカルが漂う。この組み合わせが、独特の中毒性を生み出しています。
【エンディングトーク】
ボーカル特集もいよいよエンディングです。タケさんは今回の選曲を振り返り、「自分が持っていない声だからこそ惹かれる“憧れ”のボーカリストたちを選んだ」と語ります。真似しようとしてもできない、その唯一無二のスタイルに魅力を感じるのです。一方、ようちゃんは今回の特集を「天然モノと養殖モノ」というユニークな視点で総括。リヴォン・ヘルムのようなプリミティブな歌声と、現代のK-POPのようにトレーニングされた歌声の違いについて語り、それぞれの魅力があることを示してくれました。そして、ここでようちゃんからお知らせが。9月26日(金)に、この番組を収録しているRecoyaオフィスでリスニングイベントを開催するとのこと。初回はドイツのバンド「ワークショップ」を特集する内容ですが、美味しいチキンオーバーライスも用意されるそうなので、ぜひチェックしてみてください。最後は、タケさんが二階堂和美さんの「女はつらいよ」をセレクトし、番組を締めくくりました。